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脳の発達と幼児教育

勉学やスポーツで頂点に立つ若者には共通点があり、これが方向性を早めに決めて他を圧倒する力を発揮させている。それは親が頂点に立つ道筋を知っていて、子供の成長に合わせて的確に必要な努力をするようにリードしていることである。特に0歳児より小学校に上がる前は、脳の成長がもっと早い時期で、親がこの間にどれだけ脳の成長を助けられるかが子供のその後の人生を左右する。

0歳児より3歳児まで

生まれたての子には既に大人と同じ140億とも千数百億とも言われている神経細胞(細胞体と細胞より伸びている軸索、樹状突起を含めたニューロン)があり、神経細胞の数はこれ以降増えることなくシナプスで繋がって行くことでシナプスの数が増加し、脳は成長する。一つの神経細胞には数万本のシナプスが出来ると言われる。

外部からの刺激によりシナプスは増えて神経回路が繋がるので、生まれた時点より出来る限り多様な刺激を与えて神経回路を密に繋げていく必要がある。特に歩き始める1歳ごろにはシナプスの増加は早くなるので、この時点で与える刺激の量がその後の脳の成長に大きく影響する。この神経回路をどれだけ密に繋げられるか、その密度をどれくらい継続して維持できるかにより知能の違いが出来てくる。

神経細胞や神経回路はその後継続して刺激を受けないと消えていく、消えていく細胞と残る細胞をどう選択するかにより子供の才能の方向が決まってくる。この時期に子供が関心を示す分野の神経細胞や神経回路は発達して、その子の性格や得意分野を決めていく。

0歳より3歳までに何をすべきか

0歳児の頃にはクラシック音楽をかけてオーケストラの様々な楽器の音を聞かせて多数の神経回路を繋げる。また、出来るだけ多くの絵本を読み聞かせて理解させると同時にその内容に関する質問をして答えさせて、その答えを褒めてあげることが重要。インプットとアウトプットを行うが、特に重要なのはアウトプットで本人が喜んで語るように持っていく。

この間に1万冊の絵本(同じ内容の繰り返しを含めてのべで1万冊)を読み聞かせ、1万曲の音楽を聞かせた(のべで1万曲)という教育本の著者がいるが、その意味は幼児期が脳の発達に非常に重要であることを示している。

3歳児より小学校に入るまで

3歳児の脳の発達を維持強化する為に出来るだけ刺激を継続的に与える必要がある。この時期になると親からの読み聞かせから自分で積極的に情報を取るなどで子供の好みが見えてくる。子供が高い関心を持って前向きに取り組む内容を見ながら、それに合わせて出来る限りの情報が得られる状況を作って行く。

3歳より小学校に入るまでに何をすべきか

公文などでは子供の学習速度に合わせて教材を進めていくので、小学校の勉強内容を先取りして勉強する子供が多くなっている。これにより脳の発達を密にすると共に、小学校、中学校の勉強内容が自宅、学校と繰り返しになるので、授業内容がより深く脳に刻まれる。この場合教科書の音読が効果的と言われている。内容が分からなくても音読によりその後の勉強内容の把握が楽になる。この時期には水泳などの運動、バイオリンなどの音楽、塾に通うことなどが本格化してくる。脳の神経新生は運動することにより活発になるので、勉強と運動を両立させることに配慮する。

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