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コロー 光と追憶の変奏曲、
国立西洋美術館、

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
モルトフォンテーヌの想い出
ルーヴル美術館 1864年
Photo: RMN/ Rene`-Gabriel Oje`da/ distributed by DNPAC


「想い出(スヴニール)」と変奏

コローは、戸外で描いたスケッチを利用しながら、かって旅した土地の想い出を追想してアトリエの中で再構築し、「・・・の想い出」と題した多くの詩的な風景画をのこしています。このコロー独自の絵画ジャンルは、自然との真摯な対話を出発点としながら、記憶、あるいは解釈というフィルターを通して、画家が自然から得た印象と個人的な感情を視覚的に再現しようとしたものです。19世紀美術の重要な流れであるレアリスムとロマン主義、あるいは観念主義の合流点ともいえるこれらの「想い出」の風景は少しずつ叙述的な表現をはなれ、音楽的なリズムに満たされていきます。それはもはや具体的な土地の写実的な風景画でもなければ、神話や宗教を題材とする物語的風景画でもありません。いわば銀灰色の靄に包まれた喚起力と連想の芸術であり、純粋に造形の力を通して、見る者の感性を画家の心のざわめきに共鳴させようとします。そこには、形式的要素の自律化をめざし、抽象へとむかっていった20世紀芸術の担い手たちがもとめた新しい芸術的地平を見ることができるでしょう。

真珠の女青い服の婦人


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