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若返りに最も効果的な方法:

iPS細胞(多能性幹細胞)が出来て、人間の皮膚などに少数の因子を入れて培養することにより様々な組織や臓器の細胞に分化することが分かった。現在では心筋細胞シートや小さな肝臓などが作られているが、人間全体を若返りさせるまでには至っていない。

ゲーテが書いたファウストには悪魔メフィストと契約して若返りの薬を飲むファウストの話があり、秦の始皇帝が不老不死の薬を求めて徐福を日本まで探しに行かせた話もあり、2000年前より今日まで人々が望んでかなわぬ願いとなっている。

しかしながら、細胞の新陳代謝を促進して古い細胞より若い細胞にして元気な体にする方法は昔から存在した。それが断食である。

最近医師の間では老化は病気と同じで原因があり、治療可能なものとの認識が広がりつつある。従来新しい細胞が出来ないと言われた脳の細胞も、米国の医師よりも1週間に3時間歩けば、新しい神経細胞が育ち、脳のサイズを大きくすることが出来ると発表されている。

最近流行したもので8時間以内に3食食べて、残りの16時間食事をしない、8時間ダイエットがあるが、断食は精神修行と共に体に良い効果をもたらすことから昔から世界各地で行われている。

回教徒の断食はラマダンの月(太陰暦の為に太陽暦とは毎年少しずれる)に日の出より日没までは何も食べないことが定められている。仮に夏季に日の出を午前5時とし、日没が午後6時とすると断食時間は13時間で、残りの11時間に食事をすることが許されている。

これを現代にあてはめて昼夜を逆転して、朝食を午前7時に食べ、昼は正午、夕食は午後5時に食べると、食事は10時間以内、残りの14時間は何も口にしない断食時間になる。

ノーベル医学・生理学賞を受けた大隅教授のオートファジー理論では、体内のタンパク質は1日200G程度作られるが、食べ物より取り入れるのは1日70G程度で、残りは体内にある細胞質成分を分解することにより補充されると説明されている。この為に、長時間食事を摂らずにいると体内の古くなった細胞質成分がその分だけ余計に消費され、新陳代謝が進んで若返りにつながると考えられる。古くなった細胞質が何時までも残っているとパーキンソン病の原因になる。

TVで紹介された3日で若返る方法として、高濃度ビタミンCの摂取、リンパマッサージ、細胞置換、二酸化チタンで毛穴を埋める、ピロリ菌の除菌、断食、ポツリヌストキシンの注射などが挙げられている。


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